医療機器営業はきつい?激務ってホント?【医療業界10年の私が解説する】

医療機器営業の仕事は『きつい』かどうか?

医療機器業界で10年以上も営業している私が本音ベースで解説します。

営業職の中でも給料が高い医療機器営業に興味を持っている人は多いかと思います。

しかし、インターネット上では「医療機器の営業職はきつい」とか「激務だからやめておいた方がいい」という話をよく目にします。

やっぱり医療機器営業はやめといた方が良いのかな…?

と不安に感じている人のために、本当にきつい仕事なのかどうか詳しく解説しましょう。

結論

10年以上も医療機器営業をやっている私の結論を先に書いておきます。

「独特の商習慣もあり最初はきついが、最初の1〜2年で業界に慣れれば安定的に働ける環境です。何年経ってもきつい部分はありますが、プロフェッショナルな環境で自分を成長させることができます。」

この記事の信頼性

この記事を書いている私は医療機器営業をして10年以上になります。最初は国内企業でクリックの開業支援や消耗品の販売をしました。現在は外資系の呼吸器関連の医療機器メーカーで勤務しており7年目を迎えます。医療機器営業として色々と『きつい』経験もしながらも、日々充実しながら働けています。そんな私が書いた記事です。

医療機器営業を目指している人に、この業界のきつい部分を知ってもらうため、この記事の内容はご覧のようにしました。

この記事の内容

  • 医療機器営業やっていて『きつい』と感じること
  • 医療機器営業はきつい?未経験者の疑問に答える
  • 医療機器営業は『きつい』かも…転職するべきか?

医療機器営業やっていて『きつい』と感じること

私の経験から医療機器営業のきつい部分を並べてみました。

  • 売上目標(ノルマ)に対する責任がきつい場合がある
  • 医療機器営業は自分のペースで仕事ができない
  • 専門的な知識の勉強が続いてきつい
  • クセの強い医療関係者が多くてきつい
  • 独特の商習慣や院内ルールがあってきつい

それぞれ、より詳しく解説させてください!

売上目標(ノルマ)に対する責任がきつい場合がある

営業職を目指す人が一番気になるノルマの話からしようと思います。(生生しいですが重要な点だと思うので最初に消化しちゃいましょう!)

医療機器営業になると間違いなく売上目標(ノルマ)が課されます。

この目標はほとんどの企業で『金額ベース』になっていることが多いです。一部の企業では主力製品の『台数ベース』で設定される場合もあります。

売上目標に対する責任の度合い(つまり上司からの気合いの入りよう)は企業によって随分変わります。

医療業界にいると「A社のノルマはきついが、B社はノルマはかなりゆるいらしい」といった話を良く耳にします。

とはいえ「今月は売上目標を達成しなくても大丈夫だよ」と言ってくれる会社はありませんから、自ずと売上目標に対する責任を負うことになります。

どの会社の医療機器営業になるかによっても、売上目標に対する責任の度合いは変化します。

この部分に注目して更に解説します。

外資系の医療機器メーカーはノルマがきつい

医療機器営業の中でもっともノルマに対して責任が大きいのは外資系の医療機器メーカーです。

とくにインセンティブによって給料が変わってくる企業の場合は、給料に比例するようにノマルも高いです。

ノルマを達成できない場合は、その原因を追求されますし減給や降格を受けざるを得ないケースもあります。

『結果』重視で評価する外資系の医療機器メーカーは多いです。

私が働いている外資系の医療機器メーカーもそうですが、四半期毎(クウォーターごと)に進捗の報告を実施しています。

予想よりマイナスになっていると、どのように修正するか細かく説明が必要な場合も出てきます。

とはいえ、外資系の医療機器メーカーで働いている営業職は結果で評価されることを当然ながら理解しています。見返りに業界より高い水準での給料を求める傾向にあります。

「きついの分かってるからしっかりした給料よろしく!」

こんな感じの人は結構います。

国内の医療機器メーカーのノルマはきつい?

国内の医療機器メーカー(または医療機器商社)のノルマのきつさは外資系企業よりも優しいことが多いと思います。

特に株式上場をしているような企業ですと、すでに安定した市場を確保しています。

外資系企業に比べて挑戦的な営業をしなくても良いので、営業職のノルマに対するきつさは緩い会社も多いです。(最近は売上より『利ザヤ』を増やすことに注力している国内の医療機器会社が多い印象を受けます。)

国内の企業では『結果』に加えて、『プロセス(過程)』も評価対象にしていることが多いです。

そうなると上司からの評価が重要になるため、仕事はバリバリできるけど、濃い人間関係が苦手な人からすると反対にきついと感じるかもしれません。

医療機器営業は自分のペースで仕事ができない

医療機器営業はなかなか思い通りに時間を使えないことが多いです。

どんな理由で自分のペースで仕事ができないかケースごとに解説します。

医師(病院)の都合で仕事のペースが変わる

医療機器営業はアポイント(面談)をベースに営業をするため、基本的に相手の空き時間に合わせて行動する必要があります。

医療機器営業にとって、特に医師面談はかなり貴重なチャンスです。

医師
医師

来週月曜日の9時前なら5分くらい面談できるよ

と言われれば喜んで訪問するほかありません。

医師の一声で営業の流れが180度変わることもあります。

医療機器営業はそのことを知っているので、医師が会えるというなら無理してでも訪問しようとします。

看護師
看護師

医療機器のことでサポートをお願いします。勉強会もよろしくね!

と言われれば現場に駆けつけてフォローする必要もあります。

患者の治療で使用するデバイスですから、フットワークの軽い営業マンが重宝されます。

緊急性が高い内容であれば、スケジュールを変更してでも現場に向かう必要も出てきます。

事務
事務

なんでキミの会社の医療機器はこんなに高いの?説明して!

医療従事者だけでなく事務方からの急な呼び出しも結構あります。

このように自分のペースで仕事を進めたい人の場合に、医療機器営業はきついと感じるかもしれません。

オンコール(緊急連絡)対応があるときつい

心肺装置や人工呼吸器など高度な医療機器メーカーでは、24時間365日絶え間なくユーザーサポートができるようホットラインを設置しています。

これは緊急時に医療従事者がメーカーに電話ができるシステムです。
医療業界ではオンコールなどと言った呼び方をします。

このオンコールの対応は基本的に営業部でやることがほとんどです。

従業員が多い会社では半年に1回程度、少なければ月に1回などの間隔で順番が回ってきます。

夜間〜早朝にオンコールの連絡が入ることが多いです。
電話で対応できないような深刻なトラブルは、時間外に訪問する必要があったりします。

私もオンコール当番をよくやりました。深夜にわざわざメーカーに電話が必要な状況ですので、「機械が急に止まった」など内容はシビアなものが多かったです。

オンコール期間中はあまり熟睡した気分になれず、鬱々とした感じで日中を過ごしていました。

慣れれば問題ないのですが、オンコールがある医療機器メーカーに就職したら最初はきついと感じるかもしれません。

✓現場サポートも営業職がやることが多い

「医療機器を売った後のフォローは技術スタッフがやるんじゃないの?」と思うかもしれません。

会社によりますが、ほとんどの場合は現場フォローは営業職がやることが多いです。

保守点検など法律が関わるものは、専門のスタッフがやることになっています。

長距離の移動が必要なことがある

医療機器営業は自動車を運転する機会が非常に多いです。

医療機器を病院に持ち運ぶため、電車やバスでの移動は基本的に無いと考えておくべきです。

特に医療機器メーカーでは、広いエリアを担当することがあります。

私がいる呼吸器の医療機器メーカーでは、都道府県ごとに1人か2人の営業マンが担当しています。

私自身も20代の頃は、大阪府から広島県と山口県へ一週間ごとに2泊3日でロングドライブをしていたこともあります。大阪府から和歌山市まで毎日営業に出ていたこともあります。

長距離移動の後に医師の面談をして、さらに説明会をしたあとに帰路につくため、疲労が溜まってきつかった記憶があります。

とはいえ、医療機器メーカーでも従業員が沢山いる会社は、地元に根づいて近場の営業ができることもあります。このあたりは会社の規模感にも左右されるところです。

体力に自信がない人は、担当するエリアの広さなど事前に聞いておくと良いと思います。

専門的な知識の勉強が続いてきつい

医療機器は大小問わずそれぞれ専門性が高いものが多いです。

医療機器営業を始めるタイミングで特別な資格が必要ではありません。

しかし、医師や看護師など高度な医療知識と経験を持った人に対して素人が営業を行います。

結果的に医療従事者に「お!その医療機器を使いたい!」と思ってもらうには、提案する医療機器のことだけではなく、病態生理や最新文献といったことも理解しておく必要があります。

そして医療情報というものは日々アップデートされていくため、自分からキャッチアップしないと取り残されます。

医師
医師

そんな古い情報なら知ってるよ!面談して損した!

医療機器営業というのは、いつまでも学習に終わりがありません。

あまりにも学習が苦手だという人は、知識の更新作業にきついと感じる可能性があります。

クセの強い医療関係者が多くてきつい

10年以上も医療業界で働いてきた私の個人的な感想ですが、医療業界にはクセの強い人が多いです。

医師やコメディカルを含めて専門職の人たちに対して営業を行うことになります。

彼らはプロフェッショナルですので、当然ながら自分たちの医療行為に対して誇りも持っています。

専門職ではない医療機器営業からの提案を100%素直に受けて貰えることはありません。

そもそも医療機器営業というのは医療行為はしませんから、医療従事者との間には見えない壁が存在します。

何気なくした提案に対して、急に怒り出す人もいたりします。

医師
医師

大きなおせっかいをかけられた!!

中には医療機器営業を『お手伝いさん』と考えている医療従事者も存在することは事実です。

医療従事者というのは患者や家族から感謝される存在である一方、緊張が絶え間なく続く環境で働いています。世間一般の常識から離れてしまうことが多いため、このあたりは仕方ない部分ではあります。

とはいえ、クセが強いというだけで優しく丁寧に接してもらえることがほとんどです。

クセが強い医療関係者ほど、後々見方になってくれたりします。

独特の商習慣や院内ルールがあってきつい

医療業界というのは、世間一般からかなり浮世離れした世界です。

ある病院のA先生にアポイントを取ろうとしたら、「まずは近くの大学病院のB教授にA先生と面談する許可を取らないといけないのは業界では有名な話!」なんてこともあったりします。

ある大学病院の医局説明会では「この店の弁当を人数分用意する必要がある。忘れたら出禁になる」みたいはウソのような本当の話もあります。

先生に手紙を書く際には「〇〇先生」ではなく「〇〇先生 御侍史」や「〇〇先生 御机下」などと書かないと怒られることもあったりします。

それくらい医療業界には独特の商習慣が残っています。

私が新人だったころはブラックボックスになっている商習慣や院内ルールの落とし穴にはまって苦労したこともあります。

慣れてくると「なんだか危険な香りがする…!」と防衛本能が働きますが、最初は独特の商習慣と院内ルールがきついと感じるかもしれません。

医療機器営業はきつい?未経験者の疑問に答える

私が実際に感じてきた医療機器営業のきつい部分を詳しく解説しました。

これから医療機器営業を目指す人が『不安』に感じているだろう疑問に回答したいと思います。

✓未経験者の不安

  • ノルマを達成しないとすぐクビになる?
  • 医師から怒鳴られたりしますか?
  • 医師の接待は頻繁にある?
  • 休日出勤(出社)はありますか?
  • 医療機器営業の中で一番きつい分野はなんですか?

ノルマを達成しないとすぐクビになる?

ノルマに厳しい外資系の医療機器メーカーでもすぐに解雇されることはありません。

どんなに成績が悪くても半年から1年は様子を見てもらえる場合が多いです。

また、不当解雇は法律で禁止されているため、いきなり解雇通知されることは非常に珍しいと思います。(私の知っている限りでは外資系企業の方が不当解雇に関するコンプライアンスは遵守されます。)

どんなにノルマが厳しい会社でも、まずは目標達成が難しい理由などのヒアリングが入るため怠惰(仕事に正しく向き合っていない状態)が見られなければすぐにクビになりません。

会社としても社員がすぐに辞めるのは損失でしかないので、まずは軌道修正できるか試します。それで再浮上できるか見極めるはずです。

手厚いサポートを受けても成績が出せない場合には、慎重なヒアリングのもと「この会社の営業には合っていない」と言われる可能性はあります。

国内企業でも成績不振が続く営業マンに対して、部署異動などが行われる話はたまに耳にします。

医師から怒鳴られたりしますか?

日常の営業活動において医師から頻繁に怒られることはまずあり得ません。

医師は頭脳明晰な人が多いので、いちいちエネルギーを怒りに変えて無駄に消費することも少ないと思います。

一方で、医師にはそれぞれ『営業マンに深堀りして欲しくない事柄』があります。

例えば、治療方針への口出し、看護師やコメディカルから出ている不満の声を伝達することなど様々です。

私自身は大声で怒鳴られたことはありませんが、先輩がICUの部長(先生)に怒鳴り散らされている様子を見たことがあります。

アポイントの時間になっても出てこない先生を訪ねて、勝手にICUの中を覗いたことが逆鱗に触れたようでした。

礼儀正しく、相手の尊厳を大切にやっていれば怒鳴られることはほとんどないはずです。

医師の接待は頻繁にある?

コンプライアンス(法令遵守)をしっかり守る企業が増えているため、最近はあからさまな接待はありません。

私の10年以上の経験の中でも、医師と会食したのは3回だけです。

そのすべてが学会やセミナーに関する打ち合わせのための会食でした。

医師の方からも「きみ分かってる?接待してよ?」なんて言われることもまずあり得ません。まったく心配する必要はないでしょう。

休日出勤(出社)はありますか?

医療機器営業になると休日出勤はたまにする必要があります。

私の経験では年間5〜6回程度でしょうか?

休日出勤が必要になる主な理由には、全国区の学術学会への機器展示とブースアテンドです。

土日を挟んで開催されることが多いので、休日出勤の必要があります。

とはいえ、大規模な学術学会は学びが多く、他の企業も展示しているため楽しいイベントです。お祭りみたいな感じですので、楽しみにしている医療機器営業は結構いると思います。

医療機器営業の中で一番きつい分野はなんですか?

あくまで私の個人的な意見であることを念頭に聞いてください。

在宅の人工呼吸器や酸素療法(HOT)をやっている医療機器会社

非常に社会的意義が大きい医療機器会社です。

比較的に求人も多く、給料体系も良い会社が多いと思います。

決してやめておいたほう良いということではなく、色々な医療分野で働いている友人の中でとりわけ忙しそうなのが在宅の呼吸器関連です。

医療機器に不慣れな市民を対象にしているため、24時間のホットラインを設けています。

患者の家族へのサポートが必要になってきますし、何より対象となる患者数が圧倒的に多い分野です。

今後、在宅患者は更に増加すると言われているため、伸び代のある分野だと思います。

重たい人工呼吸器や酸素ボンベを運んだりする回数も多いため、体力は必要みたいです。

医療機器営業は『きつい』かも…転職するべきか?

この記事にはシビアな内容も書きました。

読者のなかには、予想もしなかった医療機器営業のきつい部分に気が引けた人もいるかもしれません。

未経験者
未経験者

ちょっと自分には厳しいかな…

と思ってしまった人も、ちょっと待って下さい…!!

医療業界というのは、収入面やスキルアップという点で本当にチャンスが多い環境です。

そんな医療業界に少しでも興味を持ったなら、自分で適正を判断せずプロに相談することをおすすめします。

世の中には医療機器営業の転職に詳しい『転職エージェント』があります。無理やり転職させられることなんてありませんから、相談すると良いと思います。

私も自分でどうしたら良いか分からず、ず〜と悩んでいましたがエージェントに相談して7年勤めている今の会社に巡り会わせてくれました。

ネットの情報だけでは業界について知ることは限界があるので、あなたが医療機器営業として適正があるか含めて、プロに相談してみてくださいね。

この記事を書いた人

医療機器業界の営業職を10年以上経験。

1社目は歯科関連の医療機器メーカーで営業職として5年勤務。歯科クリニック全般の医療機器の営業と開業支援をやっていました。

2社目は外資系の医療機器メーカーの営業職として5年勤務。大学病院などを中心に人工呼吸器の提案営業をしてきました。

現在は2社目の医療機器メーカーで5名の部下のマネージャー職をしています。クリニックや大型病院に対する営業を10年以上やっていますので、医療機器業界についての知識はたくさんあると自負しています。

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