医療機器営業とMRの違いは?【どっちが自分に合っている?】

医療業界の営業職には、医療機器営業とMR(Medical Representatives:医薬情報担当者)の2つが存在します。

どちらも医療機関に対して医療製品を提案する点では同じです。

しかしながら、それぞれの営業職では活動内容が大きく異なります。

今、医療業界へ転職を考えている人なら、それぞれの違いやどちらが自分に合っているか悩んでいるかもしれません。

医療機器営業とMRどちらが自分に合っているのだろう?

この記事では医療機器営業とMRの違いを解説しつつ、どちらに転職するほうが自分に合っているか、私の採用経験を活かしながら説明していきます。

この記事の信頼性

この記事を書いている私は医療業界で10年以上働いている現役社員です。医療機器営業職を経て、現在はエリアマネージャーをしています。1次・2次の採用面接にも参加しており、さまざまな経歴の人と面談をしてきました。

MRから医療機器営業になった人、医療機器営業からMRになった人などキャリア形成は人の数だけあります。

「医療機器営業とMRどちらが良いか?」決めることは難しいですが、私の経験から感じる部分を本音で語りますので参考になれば幸いです。

医療機器営業とMRの違いは

医療機器営業とMRの代表的な違いを項目を分けて説明します。

販売(提案)する商品の違い

医療機器営業職では手術や治療に使われる医療機器(デバイス)の販売を行います。

また、そのデバイスで使われる消耗品(ディスポーザブル商品)の販売も同時進行で行うことが一般的です。

MRでは医薬品に特化して販売を行います。

医薬品には特許で保護された先発医薬品、特許の有効期限が過ぎたため他社が安価で開発した後発医薬品(ジェネリック医薬品)に分かれます。

医療機器、MRともにターゲットになる診療科によって内科系統と外科系統に細分化していき、提案する商品や方法が変わっていきます。

資格の違い

医療機器営業になるために必要な公的な資格はありません。

一方で、MRの場合は『MR認定資格』を保有していなければ、院内で営業活動ができないケースが多いです。

そのため、製薬会社に営業職として就職すると、まずはMR試験に合格することを目指すことになります。

なぜMRは資格が必要?

MRの業務として医療機関に訪問して、医療従事者と面談し安全管理情報の収集と提供をすることが省令で定められています。

この観点からMRは一定水準の知識を持っていることが重要視されており、認定資格というカタチでそれを証明します。

医療機器営業にも『医療機器情報コミュニケータ(MDIC)』という認定制度が存在しています。

私が勤務している医療機器メーカーでもMDICの取得制度があります。しかし、実際のところ積極的に取得を目指している人はかなり少ないと思います。

MDICを取得していなくても院内での医療機器の営業活動が簡単にできることが大きな理由です。

このような資格のハードルがあるため、医療機器営業のほうがMRより転職が簡単と言えるように思います。

営業方法の違い

医療機器営業はフットワークの軽さが非常に重要です。

私が以前に販売していた人工呼吸器の販売ステップはご覧のとおり。

  1. 予算確認
  2. 臨床工学部(ME)に提案(院内での提案許可を取得)
  3. 集中治療部や呼吸器内科に提案
  4. 医局説明会で部署全体に案内
  5. 臨床評価(デモ)前の説明会をMEや看護師に実施
  6. 臨床評価を実施
  7. 医師と再び面談し予算申請の依頼
  8. 予算通過後に納品作業
  9. 再度、関係部署に説明会

上記以外にも事務に対するコストの説明、医事課に対する診療報酬の算定方法の説明など発生する場合もあります。

ご覧のように医療機器の営業方法は非常に工数が多く、院内での根回しが発生するためコミュニケーションを取る必要がある医療従事者も多いです。

✓医療機器の消耗品

消耗品の場合は、すでに採用されている競合品を自社品に切り替えることで得られるメリットを訴求することが基本的な営業手法です。まずはサンプルを使ってもらうことからスタートします。

それに対して、MRは医局前や外来前で医師が出てくるところを掴めて、数分で医薬品に関する情報提供を行い興味を持ってもらう というような営業方法が一般的です。

また、各診療科では医局会という医師同士が治療方針を確認し合うミーティングが実施されます。そこにMRを招待して、自社の医薬品の説明の時間を与えるといったことも医療業界で習慣化しています。(実態としてはMRが用意する豪華な弁当を目当てにしていることが多いですが…)

  1. 医局や外来前で医師を出待ちし数秒〜数分でプロモーション
  2. 医局説明会の機会の獲得
  3. 医局説明会を実施
  4. 薬剤部に案内

製薬会社は医療機器会社に比べるとコンプライアンスをより遵守する傾向にあります。院内での立ち回りも病院ルールに則っているため、MRは決められた場所でしか情報提供を実施しません。

医療機器営業の場合はICU、オペ室、病棟、バックヤードなど医療従事者の邪魔にならない範囲で自由に活動できることが多いです。

給料の違い

MRの方が医療機器営業よりも全体的に給料が良い傾向にあります。ただし、すべての製薬会社が医療機器会社に給与面で優っている訳ではなく、逆のパターンも多く存在します。

医療機器営業とMRどちらでも大切な要素として、メーカーか代理店(ディーラー)どちらに転職するかで給料に大きな差が出てきます。さらに国内企業か外資系企業かでも給料により差が付きます。

一般的にメーカーの方が代理店よりも給料が高く、外資系の方が国内企業より年収が多い傾向にあります。

製薬会社から医療機器に転職すると給料は下がる?

MRから医療機器営業に転職するパターンは意外に多くあります。(この反対はあまり聞きません)

採用面接に関わっている私はMRの候補者とよく面談しています。私が勤務している医療機器メーカーが外資系ということもあってか、MRから医療機器営業になる際の年収ダウンは70%〜80%のケースで発生していません。

現在、MRをしていて医療機器営業に興味がある人は年収ダウンに不安を感じる場合があると思います。大幅に年収アップというパターンは稀ですが、年収維持で転職できるケースはよくありますのでエージェントに相談されると良いと思います。

医療機器営業とMR どちらに転職するべき?

ここまで医療機器営業とMRの違いについて説明をしてきました。

医療機器営業とMRのどちらに転職するのが良いか、簡単に結論付けることは難しいです。

さまざまな側面から医療機器営業とMRどちらが自分に合っているか考えることが重要でしょう。

転職難易度

先述したとおり、MRは院内での営業活動に資格取得を必要とするケースがあります。

MR試験は70%〜80%の合格率と言われているため、しっかり対策すれば合格を狙える試験ですが、学習面について強く問われる傾向にあるはずです。

そのため、製薬会社は医療機器会社に比べてより学歴を重視しています。このあたりで転職難易度が大きく変わる可能性はあります。

医療機器会社に関しては、あまり学歴主義ではありません。学歴や医療業界の経験有無に関わらず、職歴やバックグラウンドを重視してもらえる風土です。

私が務めている医療機器メーカーには高卒で転職してきて、エリアマネージャーの候補にまで登りつめた同僚もいました。製薬会社ではこういったケースはまずあり得ないと思います。

性格(キャラクター)

医療機器営業には比較的『体育会系』や『ガテン系』の明るい性格の人が多いです。

大人しい性格の人には向いていないかと言えばそうではありません。チームリーダーやマネージャー職になってくると、冷静沈着な性格の人が重宝されがちです。

MRには比較的『穏やか』な性格の人が多いです。MR出身の同僚が言うには、だいたいのMRは聡明(クレバー)だそうで、大人しい雰囲気ですが『虎視眈々』とチャンスを伺っているタイプが多いようです。(たしかに面接をやっていて腑に落ちる部分はあります)

医療機器営業もMRもコミュニケーション能力が高いほど、良い成績を収めやすいと言えます。

ただし、喋り(トーク)が上手ければ商品が勝手に売れる業界ではありません。医療従事者との関係性作りを日頃からできる営業マンなら、性格に関わらず医療機器営業でもMRでも良い結果を残せるでしょう。

自分の適性を知るなら

「医療機器営業とMRのどちらが自分の適性に合っているか?」と医療業界を目指す人が一度は脳裏をよぎる疑問です。

なんとなく自分の性格は分かっているようでも、他人から見えている適性とズレが生じることはよくあります。そのため、転職活動のタイミングでは第三者の意見は非常に参考になります。

まずは医療業種に強い転職サイトに登録して相談されると良いかと思います。専属のエージェントが親身になって相談に乗ってくれます。

「医療業界で上手くやっていけるか?」といった素朴な疑問なども転職サポートのプロからアドバイスを貰えるようになるため、一人で悩むより時間を有効に使えるはずです。

この記事を書いた人

医療機器業界の営業職を10年以上経験。

1社目は歯科関連の医療機器メーカーで営業職として5年勤務。歯科クリニック全般の医療機器の営業と開業支援をやっていました。

2社目は外資系の医療機器メーカーの営業職として5年勤務。大学病院などを中心に人工呼吸器の提案営業をしてきました。

現在は2社目の医療機器メーカーで5名の部下のマネージャー職をしています。クリニックや大型病院に対する営業を10年以上やっていますので、医療機器業界についての知識はたくさんあると自負しています。

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