医療機器営業の『やりがい』とは一体なんでしょうか?
このやりがいとは実際に医療業界で営業をやったことのある人間にしか語れない部分かと思います。
これから医療機器の営業職になることを検討している人に向けて、私が感じてきた「やりがい」を本音ベースでお伝えします。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている私は医療機器の営業職に就いて10年以上の経験があります。
10年以上も医療機器営業をやってこれたのは、やはり『やりがい』を感じているからです。
最近では採用面接もするようになりました。その経験からすると、やりがいを持てている営業マンは成果も出せるし、長続きします。
医療機器の営業職のやりがいを知ってもらうため、この記事の内容はご覧のようにしました。
✓この記事の内容
・医療機器営業のやりがいは?(奉仕の心が自分に返ってくる)
・医療機器営業として働く意味は?
医療機器営業のやりがいは?(奉仕の心が自分に返ってくる)
私が感じてきた医療機器営業のやりがいはご覧のとおりです。
- 患者や医療従事者の役に立てる仕事
- 医療現場に踏み込んで仕事ができる
- 大きな金額の商談ができる
- 専門性を高めればユーザー開拓できる
- 貢献が給料として返ってくる
患者や医療従事者の役に立てる仕事
医療機器の営業をする『やりがい』は社会貢献度が高いことだと言われます。10年以上、医療機器の業界にいる私も強くそう感じます。
実際に医療機器の営業職として現場に出るようになると、医療従事者と近い環境で働くことになります。医療の現場には様々な課題が山積しています。それを解決する方法を営業提案すれば必ず喜ばれます。そうすると『感謝』されますので、自ずと医療機器の営業職にやりがいを感じるはずです。
私が勤めている医療機器メーカーにも、MR(医療情報担当者)から転職してきた人たちがいます。MRというのは医薬品の営業職です。彼らは「医療機器の営業職は医師や看護師との接点が多い」と違いを感じています。
そこから分かるとおり『機械を使って治療する』ため、医師や看護師などの医療従事者も医療機器の営業マンを頼りにしていることが多いです。
「○○さんのおかげで患者さん良くなったよ!」と言われたら、やりがいを感じずにはいられません。医療機器の営業職をやる醍醐味はこういった医療従事者のサポートを行い、縁の下から医療を支えることだと思います。
医療現場に踏み込んで仕事ができる
医療機器の業界を未経験であれば「営業マンはどこまで医療現場に踏み込んで活動するんだろう?」と疑問に思うはずです。
扱う医療機器によって異なりますが、重症度が高い治療に使う医療機器ほど、より現場から依頼が増えやすいです。
例えば、私が従事している呼吸器関連の医療機器ならICU(集中治療室)やER(救急センター)において、苦しんでいる患者のそばまで行って、医療従事者に機械の操作のフォローを行ったりすることもよくあります。スタッフが医療機器に慣れるまで近くにいてサポートするわけです。
他にもオペ(手術)関連の医療機器も『立ち会い』と言って、手術中は先生の後ろに張り付いて不測の事態に対応するケースもあります。
中には最新データや近隣施設の術式などをその場で先生に伝えて、参考にしてもらうような高度な情報提供をする営業マンもいます。
当たり前ですが、治療中に医療機器の営業マンが直接機械を操作することはありません。それでも「操作方法はあっているか?」「画面のこの表示の意味は?」など治療中に様々な質問が飛んでくることもありますので、医療現場にかなり踏み込んで仕事をしている感覚にはなります。
なお、「ICUや手術室に入るような医療機器の営業職はちょっと…」と感じる人もいるかと思います。すべての医療機器が現場でのサポートを必要としているわけではありません。急性期の高度医療ではサポートが増えますが、検査や基礎診療で使う医療機器なら医療行為中の現場に駆けつけることはほとんど無いはずです。
大きな金額の商談ができる
医療機器というのはどれも高額です。
人工呼吸器なら1千万円以上するものもありますし、最近流行っている医療ロボットなら数億円します。
大学病院などの大きな医療機関では、そういった高額な医療機器をまとめて複数台購入することも珍しくありません。
大きな金額の商談は緊張する場面が多いですが、営業としてのスキルがどんどん磨かれます。そして商談が上手くまとまって納品までできると、それを達成した者しか味わえない『とてつもない達成感』があります。
その達成感にやりがいを感じて、医療機器営業をやっている人が結構いたりします。
「自分も大きな商談を経験してみたい!」と思っている人なら、医療機器営業は性格に合っていることが多いと思います。
専門性を高めればユーザー開拓できる
医療機器のマーケットはそこまで広くありません。
日本国内ですと2兆円規模の業界と言われています。
そこに競合他社がひしめき合っているような状態です。つまり、医療機器営業の世界では常に『陣取り合戦』が行われています。
その激しい競争環境で勝ち残るのは『ユーザーを広げられた会社』です。
医療機器会社のマーケティング力も重要ですが、実際に物を言うのは『現場の営業の手腕』であることが本当に多いです。
医療機器というのは人の生命に関わるものですので、コスト(値段)よりもパフォーマンス(性能)で選ばれることが多いです。
つまり「ウチの商品は安いよ!」がほとんど通用しない世界です。
そのため、医療機器営業は高いレベルで競い合うことが多く、医療従事者も専門性を持っている営業マンから製品を買ってくれます。
自分の知識を高めることで、自分の力でユーザー開拓ができることにやりがいがあります。
貢献が給料として返ってくる
医療機器の営業というのは、医師や看護師などの医療従事者との接点が非常に多い仕事です。それぞれ立場は違いますが、「患者を良くしたい」という共通の認識で物事が進んでいます。
医療機器の業界に入ったころは「とても役立つ仕事だけど、なんだか責任を常に感じるな…」と思っていました。
一方、自分が医療に貢献することで、それが給料としてしっかり返ってくる業界だと強く感じました。
医療機器の営業職は『現場での責任』や『会社の売上に対する責任』を背負うことになるのでハードな一面があります。
そのため、給与面を優遇している企業が多いと思います。
実際に10年以上も医療機器の業界にいますが、給料の不満というのはあまり聞いたことはありません。
✓『役立つこと』×『給料』のバランスが大切
医療機器業界はそこそこ給料が高いです。それを目的に転職してくる人もたくさんいます。
一方で、私の経験から話をすると『誰かの役に立ちたい』という気持ちが少しでもないと、長続きは難しいと思います。
実際に「なんだか割に合わない」と感じる場面は少なからずありました。
平均的な給料の高さも魅力ではありますが、医療機器の営業職として働く土台には『誰かの役に立つ』という考えがあることを意識するべきでしょう。
医療機器営業として働く意味とは
この記事を書いている私自身も医療機器業界に10年以上いるわけですが、医療業界で働く意味について最後にお伝えします。
✓より良い治療を医療現場に届ける
医療業界で働く医療機器の営業職の役目は、間違いなく『患者さんにとってより良い治療を提供すること』です。医師は日々新しい情報をキャッチアップしていますが、専門から少し外れるだけで情報が不足します。それを補うのが医療機器の営業職の役目でもあり、治療に役立つ情報であれば多くの医師から感謝されます。
医師が新しい情報を得ることで、それが患者さんの治療に反映されていきますので、医療機器の営業職というのは、光の当たらないところで医療を支えていると言えます。
医療機器営業のやりがい|まとめ
医療機器営業の『やりがい』について紹介させていただきました。
医療機器というのは、日々めまぐるしく進化しており、それを提案する営業職も成長を続ける必要があります。それが大変に感じることもありますが、自分自身がレベルアップすることで、より良い治療を医療現場に提供できることも事実です。
医師や看護師からの感謝はもちろん、病気やケガで苦しむ患者さんを間接的に支えることができる『やりがい』は医療機器の営業職ならではだと思います。その『やりがい』を最大限に感じるためには、利他的な奉仕の心を持つことが重要だと思います。