医療機器営業は、年齢や経験に関係なく、20代や30代でも年収1,000万円を超えるような高収入を狙える職業です。
高収入の鍵を握るのがインセンティブ制度です。
この記事では、インセンティブ制度がどのように機能し、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。
この記事の信頼性
この記事を書いている私は、外資系の医療機器メーカーで働いています。30代のエリアマネージャーとして、累計8人の部下の営業サポートをしながら、営業部の採用面接にも携わった経験があります。
私の勤務した企業はインセンティブは少なめでしたが、それでも30代で総年収が900万円を超える経験をしました。
インセンティブ制度によって高収入を全面に押し出している外資系企業で営業職をしている知り合いも多くいるため、医療機器業界のインセンティブについて詳しく解説ができます。
関連記事:医療機器営業の年代別の年収と事例紹介(給料を上げる方法は?)
医療機器営業のインセンティブ制度とは?
まずは医療機器業界にあるインセンティブ制度について基本を解説します。
インセンティブの仕組み
医療機器営業のインセンティブは、一般的に以下の要素に基づいて評価されます。
- 売上目標の達成度:どれだけの製品を販売し、売上を上げられたか
- 新規顧客開拓:新しい顧客をどれだけ獲得できたか、その顧客がどれほど売上に貢献したか
- 新製品の導入:新製品をどれだけ導入し、売上に貢献したか
- 顧客満足度:顧客からのフィードバックやリピート率を向上させられたか
インセンティブ重視の企業では、新年度のはじめに上長と部下が面談して目標値を設定することが多いです。
これらの目標値をもとに、四半期ごとや年間の評価に応じてインセンティブが支払われます。高いパフォーマンスを発揮すれば、その分収入も大幅に増える可能性があります。
目標値の最優先は『売上』であることが多いですが、新規に立ち上がった営業部では『販売数』や『顧客フィードバック』など金額ではない指標がインセンティブの評価基準となる場合もあります。
インセンティブ制度のメリット
高収入のチャンス
目標を達成できれば、基本給に加えて高額なインセンティブを得ることができます。短期間で収入を大幅に増やすことも可能です。
インセンティブの上限がない外資系の医療機器メーカーもあり、私の知り合いにも基本給の倍以上のインセンティブを1年で稼いだ人もいます。
モチベーション向上
インセンティブがあることで、常に高いモチベーションで仕事に取り組むことができ、結果として企業の目標達成にもつながります。
インセンティブがない医療機器会社の場合でもノルマ(売上目標)はありますが、目標を達成したとしてもすぐに大きな報酬として自身に返ってくることはありません。
その点、インセンティブのある医療機器会社では、自分の頑張りが報酬という形で可視化されやすいことはメリットといえるでしょう。
実力主義の評価
成果がインセンティブとして直結するため、個人の努力がそのまま報酬に反映されます。
また、年功序列の医療機器会社が多い日本においては、実力を伴わい社員が役職に就くなどの課題が散見されますが、インセンティブ重視の企業では人事についても実力主義の傾向が強いです。
そのため、インセンティブを稼ぐ力のある実力者が、若くから管理職(マネージャー)として起用されるステージが用意されていることもしばしばです。
インセンティブ制度のデメリット
収入の不安定さ
インセンティブ重視の医療機器会社では、基本給や手当はやや低めに設定されていることが多いです。(とはいえ、同年代の平均給与と比較すると高収入と見て取れます)
インセンティブに大きく依存するため、目標が達成できなかった場合、収入が大幅に減るリスクがあります。そのため、市場の変動や体調不良など、自分ではコントロールできない要素も収入に影響を与えることがあります。
短期志向になりがち
インセンティブ目当てで短期的な成果に集中しすぎると、顧客との長期的な信頼関係を築くことが難しくなる場合があります。
医療機器の業界はユーザーとの信頼関係が一番重要です。医療施設ごとの課題を丁寧にヒアリングして、ユーザーにもっとも役立つ提案をするべきです。
インセンティブを稼ぐことに躍起になり、本来ならユーザーに必要のない医療機器を販売すると、大きな反感を買うことになるでしょう。
「新デバイスの採用によって前まで出来たことができなくなった!こんな説明は受けていない!」と大クレームになることは、ユーザーに寄り添えていないときに起こりやすいです。
プレッシャーが大きい
高額なインセンティブを得るためには、高い目標を常に達成する必要があり、それに伴うプレッシャーも大きくなります。
また、インセンティブに占める収入が大きいため、目標が達成できない場合には早々に退職する人も多いです。会社からの期待も高いため、未達成の営業マンは肩身が狭くなる環境といえるでしょう。
そのため、私が知っているかぎりではインセンティブ重視の医療機器会社の離職率は高いように感じます。
インセンティブ制度を活かすためのポイント
企業の制度を確認
企業ごとにインセンティブの基準は異なります。入社前に、どのような基準でインセンティブが支給されるのか、しっかり確認しておきましょう。
転職の際の面接では、インセンティブを重視する企業ならば、求職者とのミスマッチを減らすため、そのことについて企業側から説明があるはずです。
また、インセンティブ重視の企業の特徴として、Openworkなどの転職サイトの口コミに『インセンティブが〜』といったコメントが多く寄せられますので事前に調査は可能です。
口コミが少ないインセンティブ重視の医療機器会社も存在しますが、この場合はJACリクルートメントなどの医療機器の転職に強い転職エージェントに内情を確認する方法が確実です。
関連記事:JACリクルートメントが医療機器の転職に強いは本当?利用者の評判、メリット・デメリットを解説!
長期的な視野を持つ
短期的な目標達成だけでなく、顧客との関係を長期にわたって築き、自身のキャリアアップも視野に入れましょう。
「インセンティブで稼ぐ!」という動機はモチベーションに繋がり良いことですが、医療機器の提案をとおした社会貢献や自分自身の成長などの意識が重要です。
ストレスマネジメント
プレッシャーがかかる職場環境では、ストレス管理が重要です。適切な方法でストレスをコントロールすることで、より長く成果を上げ続けることができます。
まとめ
医療機器営業のインセンティブ制度は、大きな収入を得るチャンスを提供する一方で、収入の安定性や精神的な負担も伴います。この制度を上手に活用するためには、インセンティブのメリットとデメリットを理解し、長期的なキャリアプランを考えることが重要です。
医療機器営業は、やりがいがあり高収入を狙える一方で、ハイプレッシャーな仕事です。自分の適性や目標をしっかりと見極め、インセンティブ制度を有効に活用して、成功へとつなげましょう。